Now Loading

News

合同ゼミ with 小谷研の皆さんと中居先生 & 復興デザイン演習最終発表会

2025.11.17

11月10日(月)に,東京科学大学小谷研究室から小谷仁務先生と学生の皆さん,また東京大学の中居楓子先生をお招きして,合同ゼミを実施しました.

まず,各研究室から各自卒論&修論で進めている内容の研究発表を行いました.浦田研からはB4の村上さんとM1の中澤さんが発表し,先生方や学生からそれぞれ様々な有益なコメントをいただきました.ありがとうございました!


また,復興デザイン演習の最終発表会を行い,筑波大学の社会工学学位プログラムの修士1年の学生8名による,都市計画的なアプローチをベースとした提案が行われました.

復興デザイン演習に参加した方々に,今回の演習でどのようなことに取り組み,どのような提案を行ったのか聞いてみました!

大野
. 今回の復興デザイン演習では,どのような地域を対象に行ったのでしょうか? .
. 今回の対象地は,茨城県鹿嶋市と神栖市です.これらの地域は霞ケ浦と太平洋に挟まれた土地で,そこで港もあり工業地域もあるような場所です.戦後の開発によって人口が集まり,産業が栄えました.鹿島神宮を中心とした歴史のある街でもあります.一方で,津波や洪水などの被災に対しては脆弱な面も露呈しています. .
出本
大野
. なるほど.今回の演習では津波班と洪水班に分かれて演習作業を行ったと思いますが,津波班ではどのような分析を行い,どのような知見が得られたのでしょうか?感想とともに教えてください. .
. 津波班では被災時の産業・自治体財政に対する影響の想定と,それに対する事前の計画,とりわけ住宅について示しました.前者については,例えば津波被災の影響で工場が停止または撤退した場合には製造業の生産額が減少します.このとき自治体全体として雇用が所得がどれほど減るのか,それに伴ってどれほど市民税が減るのか,といったように産業と財政をリンクさせて影響を試算しました.住宅については,実際にどの土地に復興のための住宅を建て,居住を集約していくのかについて議論していました.被災後の自治体財政を安定させようという方向性自体は立てられても,それを現実空間の中で行われる施策として考えることは非常に難しいと感じました.今後も様々な情報に触れ,知見を重ね,課題に対してよりよい見方,手数を持てるようにしたいと痛感しました. .
出本
大野
. ありがとうございます.洪水班ではどのようなことを考えたのでしょうか? .
. 鹿島・神栖地域での事前復興について考えようという趣旨で演習を行いました.私たちの班では洪水後の神栖地域での上水に着目し,工業用水を供給する浄水場の被災リスクが高い中で,どのようなバックアップを取っておけば地域の産業を維持することができるかに着目しました.鹿島臨海工業地帯を有する神栖市にとって産業への打撃は大きな痛手となるため,農業用貯水池,県南水道との緊急連携管の整備を行うことで,神栖地域におけるCCP(都市持続計画)の提案を行いました.実際に行っていく中で,まずどんな被害が生じるのか,被災後はどのような生活を送るのかなど様々な要素を考える必要があり,様々な自治体で事前復興計画の作成が求められていても,簡単ではないというのがよく分かりました. .
中山
大野
. ありがとうございました.事前復興計画の策定については,都市の歴史や土地利用,ハザード,隣接自治体を含めた総合計画,滞在行動の特徴,交通ネットワーク,産業構造の連関性などの様々な要素を丁寧に調べたうえで,財政マネジメントや災害の不確実性なども考慮しながら検討する必要があり,とても難しさを感じました.同じ茨城県内でも鹿島・神栖地域と同じような課題を抱える自治体もあれば,土砂災害などの他の災害リスク,都市構造の違いによる災害耐性の違いなど,様々なパターンがある中で,引き続き他のエリアにも関心を持ち,事前復興提案に向けて学んでいきたいと思います.M1の皆さん,お疲れ様でした! .

written by Ryusuke Ono (B4)

Other news