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2025.11.08
初年度となりました復興デザインスタジオ2025、8名の学生さん達となんとか完走しました。
茨城県南西部に位置する鹿嶋市・神栖市を対象として、地域史、地形と空間形成推移、複数災害のハザード分析、広域的な位置づけ、産業構造といった地域の読み込みと将来リスクの理解をベースに、都市持続計画(City Continuous Plan)にむけた提案を考えていこうという演習でした。
対象とする鹿嶋市・神栖市は、国策として整備された鹿島港を基盤とした工業地帯です。茨城県の中でも産業立地の優位性の高い地域です。一方で、災害リスクに目を向けると、東は太平洋側からの津波災害、西は利根川側からの洪水災害のリスクがあることに加えて、自治体境界を跨ぐハザードが想定されており、災害への備えは一筋縄ではいきません。
歴史や土地利用、ハザード、隣接自治体を含めた総合計画、滞在行動の特徴、交通ネットワーク、産業構造の連関性などを丁寧に調べた上で、それらを下敷きに、今回は、①復興後の維持管理などの財政マネジメントを考慮した復興施設配置の提案と②復旧期における水ネットワークの脆弱性分析と分散対応にむけた提案を行いました。事前復興を考える上で、そもそもの災害想定の難しさ、インフラ施設被害の不確実性に悩まされつつ、被災による産業縮退の可能性を踏まえた効率的な復興計画の必要性を議論した①の提案は、これまでの知見を次の復興に繋げるという面で貴重なものだったと思います。生活インフラ被災や災害廃棄物の対応がまず復旧期に必要になる中で、事前にその備えの必要性を定量的に検討した②の提案も労作でした。事前復興提案にむけて、まだまだ手探りですが、引き続き、学んでいきたいと思います。


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